こんにちは、りゅう先生です!
今回は青年期の重要テーマ「欲求不満」と「防衛機制」について解説していきます。
欲求不満の意味はなんとなく想像つくけど、防衛機制ってなんだろう?
「防衛」って言葉があるから、何かを守る機能かな?
欲求不満とは、文字通り「欲求が満たされない状態」のことです。
防衛機制とは、欲求不満の状態になった時に「無意識に自分を守るしくみ」です。
欲求不満や防衛機制には色々な種類があります。
それぞれの種類をわかりやすくかみ砕いて説明しているので、ぜひ最後まで読んで理解を深めてください!
欲求不満と防衛機制のそれぞれ種類を学んで、自分がどんな行動を取りやすいか振り返ってみよう!
1. 欲求不満とは何か?意味と解消方法を解説!
欲求不満とは、「欲求が満たされない状態」のことです。
欲求不満の解消方法は大きく4つあります。
解消方法 | 説明 |
---|---|
①合理的解決 | 合理的な手段で解決を目指す |
②攻撃・近道反応 | 攻撃的・衝動的に欲求を満足させようとする |
③防衛機制 (※最頻出) | 無意識に自分を守るしくみ |
④失敗反応 | いつまでも欲求不満を解消できない状態 |
それぞれの解消方法を、解説を読んでしっかりと理解しましょう!
①合理的解決
合理的解決とは、欲求不満の状態に対して「合理的な手段で解決を目指す」ことです。
以下の事例が合理的解決にあたります。
欲求不満の理想的な解消方法です!冷静に問題に向き合えるようになりたいですね。
②攻撃・近道反応
攻撃・近道反応とは、「攻撃的・衝動的に欲求を満足させようとする」ことです。
以下の事例が攻撃・近道反応にあたります。
僕もたまにうまくいかなくて物に当たったりしちゃうな。。
一旦深呼吸して、冷静になることが大事だね。
③防衛機制
防衛機制とは、欲求不満から「無意識に自分を守るしくみ」のことです。
防衛機制には9つのしくみがあります。
それぞれの意味と具体例については、下部の解説を見てください。
④失敗反応
失敗反応とは、「いつまでも欲求不満を解消できない」状態のことです。
以下の事例が失敗反応にあたります。
2. 防衛機制とは何か?意味と種類を解説!
防衛機制とは、欲求不満の状態になった時に「無意識に自分を守るしくみ」のことです。
オーストリアの精神分析学者のフロイトによって明らかにされました。
防衛機制には大きく9つの種類があります。
種類 | 説明 |
---|---|
① 抑圧 | 不安や苦しみを無意識に抑え込む |
② 合理化 | 理由をつけて正当化する |
③ 同一視 | 他人の能力・業績を自分のものと思い込み満足する |
④ 投射 | 自分の気持ちや欠点を他人のものと思い込む |
⑤ 反動形成 | 欲求と反対の行動をとる |
⑥ 逃避 | 現実逃避をする |
⑦ 退行 | 前の発達段階に戻る |
⑧ 代償 | 代わりの欲求で満足する |
⑨ 昇華 | 社会的価値のある欲求に置き換える |
①抑圧
抑圧とは、欲求不満によって生じる「不安や苦しみを無意識に抑え込む」ことです。
以下の事例が抑圧にあたります。
②合理化
合理化とは、自分の行動にもっともらしい「理由をつけて正当化する」ことです。
以下の事例が合理化にあたります。
私もうまくいかなかったとき、言い訳を見つけて納得しちゃうときがあるな。
③同一視
同一視とは、「他人の長所(能力・業績など)を自分のものと思い込む」ことです。
以下の事例が同一視にあたります。
④投射
投射とは、「自分の気持ちや欠点を他人のものと思い込む」ことです。
自分の気持ちや欠点を他者や状況に投影することで、自分を守ろうとする防衛機制です。
以下の事例が同一視にあたります。
なんか自分が苦手な先生って、先生も自分のこと苦手だと思っているんじゃないかって無意識に感じてる気がする。
⑤反動形成
反動形成とは、「欲求と反対の行動をとる」ことです。
本来の感情や欲求に反対の感情や欲求を強調して表現することで、不安や罪悪感を緩和しようとする防衛機制です。
以下の事例が反動形成にあたります。
子どもが気になってる子にわざといじわるしちゃうのも、反動形成の一種ですね。
気になる子には優しくした方が好かれますよ!
⑥逃避
逃避とは、不安やストレスから解放されるために「現実逃避をする」ことです。
以下の事例が逃避にあたります。
⑦退行
退行とは、幼児期などの「前の発達段階に戻る」ことです。
ストレスや不安を感じると、より幼い行動や思考に戻ることを指します。
成熟した反応が難しい状況では、過去の幼少期の反応に頼ることがあります。
以下の事例が退行にあたります。
⑧代償
代償とは、「代わりの欲求で満足する」ことです。
以下の事例が代償にあたります。
⑨昇華
昇華とは、「社会的価値のある欲求に置き換える」ことです。
昇華は、社会的に認められる形で欲求や感情を表現することで、満足感を得ようとする防衛機制です。
以下の事例が昇華にあたります。
3.「防衛機制」の覚え方
防衛機制は9つの種類があり、覚えるのが大変だと思うかもしれません。
しかし、それぞれの用語の漢字・言葉の意味を理解しながら覚えると簡単に覚えることができます。
例えば、「抑圧」は不安や苦しみを「抑え込む」といった感じです。
それぞれ確認してみましょう!
種類 | 漢字・言葉の意味 |
---|---|
① 抑圧 | 抑え込む、圧える |
② 合理化 | 合理的な理由で正当化する |
③ 同一視 | 他人と自分を同一と視る |
④ 投射 | 自分の短所を他人に投射する |
⑤ 反動形成 | 反対の行動を形成する |
⑥ 逃避 | 現実逃避をする |
⑦ 退行 | 前の発達段階に退化して行く |
⑧ 代償 | 代わりの欲求で償う |
⑨ 昇華 | 華やかな欲求へ昇る |
4. 防衛機制の演習問題にチャレンジ!
それではここまでの内容をある程度頭に入れたら、演習問題にチャレンジしてみましょう!
質問をクリックして答えを見る前に、頭の中で答えを思い浮かべてみてくださいね。
- Q欲求が満たされないときに無意識に自分を守るしくみをなんというか。
- A
防衛機制
- Q防衛機制を提唱したオーストリアの精神分析学者は誰か。
- A
フロイト
- Q防衛機制のうち、「自分の気持ちや欠点を他人のものと思い込む」ことを何というか
- A
投射
- Q防衛機制のうち、「社会的価値のある欲求に置き換えて満足する」ことを何というか。
- A
昇華
- Q防衛機制のうち、「抑圧した欲求と反対の行動をとる」ことを何というか。
- A
反動形成
- Q防衛機制のうち、「他の欲求に置き換えて満足する」ことを何というか。
- A
代償
- Q防衛機制のうち、「他人の能力・業績を自分のものと思い込み満足する」ことを何というか。
- A
同一視
- Q防衛機制のうち、「もっともらしい理由をつけて正当化する」ことを何というか。
- A
合理化
- Q防衛機制のうち、「不安や苦しみを無意識に抑え込む」ことを何というか。
- A
抑圧
- Q防衛機制のうち、「幼児期などの発達段階に戻る」ことを何というか。
- A
退行
- Q防衛機制のうち、「非現実の世界などに逃げ込む」ことを何というか。
- A
逃避
5.「欲求不満」と「防衛機制」まとめ
この記事では「欲求不満」と「防衛機制」について解説しました。
みなさんはどんな防衛機制をとったことがありましたか?
最後に今日の内容を、表にまとめましたので、おさらいしてください。
それぞれ確認してみましょう!
種類 | 漢字・言葉の意味 | 説明 |
---|---|---|
① 抑圧 | 抑え込む、圧える | 不安や苦しみを無意識に抑え込む |
② 合理化 | 合理的な理由で正当化する | – |
③ 同一視 | 他人と自分を同一と視る | 他人の能力・業績を自分のものと思い込み満足する |
④ 投射 | 自分の短所を他人に投射する | 自分の気持ちや欠点を他人のものと思い込む |
⑤ 反動形成 | 反対の行動を形成する | 欲求と反対の行動をとる |
⑥ 逃避 | 現実逃避をする | – |
⑦ 退行 | 前の発達段階に退化して行く | – |
⑧ 代償 | 代わりの欲求で償う | 代わりの欲求で満足する |
⑨ 昇華 | 華やかな欲求へ昇る | 社会的価値のある欲求に置き換える |