トマス・アクィナスの思想とは?|スコラ哲学・自然法・神学大全をわかりやすく解説

トマス・アクィナスの思想とは?|スコラ哲学・自然法・神学大全をわかりやすく解説

こんにちは、りゅう先生です!

今回は高校倫理で必ず登場する中世最大の哲学者、

トマス・アクィナスについて解説していきます。

りん
りん

先生、アウグスティヌスは「信仰」が大切だということは分かりました!

でもトマス・アクィナスは何をした人なんですか?

りゅう先生
りゅう先生

いい質問!

トマスは

「信仰と理性は対立しない」

と考えた人物なんだ。

さらに、現代の人権思想にもつながる

自然法思想

を発展させたことでも有名なんだよ。

この記事では、

スコラ哲学・自然法・神の存在証明を中心に、

高校倫理レベルでわかりやすく解説していきます!

この記事でわかること
  • トマス・アクィナスとはどんな人物か
  • スコラ哲学とは何か
  • 哲学は神学の侍女」とは何か
  • 信仰と理性の関係
  • 自然法思想とは何か
  • 神の存在証明とは何か
  • アウグスティヌスとの違い

トマス・アクィナスとは?

トマス・アクィナス(1225〜1274)は、

中世ヨーロッパを代表する哲学者・神学者です。

代表作は『神学大全』。

アリストテレス哲学を取り入れ、

キリスト教神学を体系的にまとめ上げたことから、

「スコラ哲学の完成者」

と呼ばれています。

※アリストテレスについてはアリストテレスの思想をわかりやすく解説|形相・質料・四原因説・中庸とはをご覧ください。


中世ヨーロッパとキリスト教の時代背景

トマスを理解するためには、

まず時代背景を知る必要があります。

313年、ローマ皇帝コンスタンティヌスがキリスト教を公認し、のちに国教化され、

キリスト教は政治や教育の中心となっていきます。

中世ヨーロッパでは、

神について学ぶこと」が学問の最大の目的でした。

そこで人々は、

神の教えを理性的に説明できないだろうか

と考えるようになります。

こうして発展したのが

スコラ哲学

です。


スコラ哲学とは何か

スコラ(schola)とは、

もともと「学校」を意味する言葉です。

当時は教会や修道院の付属学校、

そして大学で学問が行われていました。

そこで神学や哲学について論理的に議論する学問が発展し、

これを

スコラ哲学

と呼ぶようになったのです。

こう
こう

スコラって哲学用語じゃなくて学校のことなんですね!

りゅう先生
りゅう先生

その通り!

だからスコラ哲学は

「学校で発展した哲学」

と覚えると分かりやすいよ。


「哲学は神学の侍女」とはどういう意味?

スコラ哲学を語る上で有名なのが、

哲学は神学の侍女

という言葉です。

侍女とは、

主人を助ける使用人のことです。

つまり、

哲学は神学を助けるための学問である

という意味になります。


具体例と図解で考えてみよう

例えば、

「神は本当に存在するのか?」

という疑問があったとします。

アウグスティヌスなら、

「まず信仰を持ちなさい」

と考えます。

一方でトマスは、

「理性を使って説明してみよう」

と考えました。

そこで神の存在証明が生まれます。

つまり、

神学(信仰)

哲学(論理)

神を理解する

という関係なのです。

りん
りん

哲学が主役じゃないんですね!

りゅう先生
りゅう先生

中世では神学が一番上にあって、

哲学はそれを支える役割だったんだよ。


信仰と理性は両立できる

トマス・アクィナスの最大の特徴は、

信仰と理性は対立しない

と考えたことです。

当時の人々の中には、

「神を信じること」と

「論理的に考えること」は

別物だと考える人もいました。

しかしトマスは、

どちらも真理に至る道だと考えました。


有名な考え方

「恩寵は自然を破壊せず完成する」

つまり、

神の恵み(恩寵)は

人間の理性を否定するのではなく、

より完成へ導くという意味です。


自然法思想とは?

自然法とは、

神が世界に与えた普遍的な法則のことです。

人間は理性によって、

その法則を知ることができると考えました。


自然法の具体例

  • 命を大切にする
  • 善を求める
  • 嘘をつかない
  • 社会で協力して生きる

こうした価値観は、

誰にでも共通する自然な道徳であると考えたのです。

自然法の階層構造

神の存在証明とは?

トマスは、

理性によって神の存在を説明しようとしました。

これを

神の存在証明

といいます。


アウグスティヌスとの違い

項目アウグスティヌストマス・アクィナス
哲学教父哲学スコラ哲学
影響プラトンアリストテレス
重視信仰信仰+理性
代表思想恩寵説自然法
特徴神を信じることを重視神を理性的に説明

【演習問題】トマス・アクィナスの思想を確認しよう

Q
スコラ哲学を完成させた人物は誰か。
A

トマス・アクィナス

Q
トマスが著し、スコラ哲学を体系的にまとめた代表作を何というか。
A

『神学大全』

Q
神が世界に与えた普遍的な法則を何というか。
A

自然法

Q
トマスが哲学と結びつけた古代ギリシア哲学者は誰か。
A

アリストテレス

Q
「哲学は神学の○○」の○○に入る言葉は何か。
A

侍女

Q
理性によって神の存在を説明しようとした考えを何というか。
A

神の存在証明


まとめ

この記事では、トマス・アクィナスの思想について解説しました。

ポイントを整理すると、

  • トマス・アクィナスはスコラ哲学の完成者
  • スコラは教会付属学校を意味する
  • 哲学は神学の侍女と考えた
  • 信仰と理性は両立すると主張した
  • 自然法思想を発展させた
  • 神の存在証明を試みた

ということになります。

次回は、

「宗教改革とは?|ルター・カルヴァン・予定説をわかりやすく解説」

を取り上げます。

なぜキリスト教はカトリックとプロテスタントに分かれたのか?

ルターの信仰義認説やカルヴァンの予定説を中心に解説していきます。

最後まで読んでくれてありがとうございました !

この記事を書いた人
りゅう先生

元高校教師のりゅうです!
公立高校で地歴公民科の教員をしていました。
高校で倫理を教えていた経験を活かし、みんなに倫理を好きになってもらえるように、わかりやすく解説していきます!

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