こんにちは、りゅう先生です!
みなさんは「人間とは何か?」と聞かれてどんなことを思い浮かべますか?
二足歩行する動物のこと!?
笑ったり、泣いたり、喜怒哀楽があるのが人間かな!
人によって答えはさまざまだと思います。
倫理の授業で最初に学ぶのが「人間とは何か?」というテーマについてです。
難しいテーマではありますが、先人がどのように人間を定義づけしたのかを一緒に学んでいきましょう。
色々な定義が出てきてわかりづらいけど、
覚え方を用意したから、最後まで読んで内容を整理してみてね!
1. 人間とは何か?どんな定義か?
まず、先人が考えた6つの人間の定義を確認しましょう。
定義 | 定義した人物 | 重要度 |
---|---|---|
①ホモ=サピエンス(英知人) | リンネ | ★★★ |
②ホモ=ファーベル(工作人) | ベルクソン | ★★★ |
③ホモ=ルーデンス(遊戯人) | ホイジンガ | ★★★ |
④ホモ=シンボリクス(シンボルを操る動物) | カッシーラ | ★★☆ |
⑤ホモ=レリギオースス(宗教人) | エリアーデ | ★★☆ |
⑥ホモ=エコノミクス(経済人) | アダム・スミス | ★☆☆ |
どの定義や人物も重要ですが、特に重要度★★★は最頻出ですので、必ず覚えるようにしましょう。
それでは1つずつ解説していきます。
①ホモ=サピエンス(英知人):リンネ
スウェーデンの生物学者のリンネは、人間の特質を「知性(理性)をもつ」点にあると捉え、ホモ=サピエンスと定義しました。
ホモ=サピエンスは日本語では「英知人」や「知性人」と訳されます。
なおホモ=サピエンス(英知人)は、生物学における人間の正式名称になっています。
ホモ=サピエンスはラテン語からきてるんですよ !
homo = 人間
sapience = 知恵
という意味になります。
②ホモ=ファーベル(工作人):ベルクソン
フランスの哲学者ベルクソンは、人間の特質を「道具を用いてモノを作り出す」点にあると捉え、ホモ=ファーベルと定義しました。
人間は道具をつくって自然にはたらきかけ、環境を便利なものに改変していくことによって進化してきたという考え方です。
ホモ=ファーベルは日本語では「工作人」と訳されます。
自然にあるものをそのまま道具として使う動物もいますが、
道具を加工して作るのは人間の特徴ですね。
確かに、身の回りにあるものは加工して作られたものばかりだね!
③ホモ=ルーデンス(遊戯人):ホイジンガ
オランダの歴史家ホイジンガは、人間の特質を「遊びを通じて文化を創造する」点にあると捉え、ホモ=ルーデンスと定義しました。
ある程度生活にも余裕ができ、自由に遊びを楽しむ中で、学問・芸術・スポーツ・祭りなどの文化を創造してきたという考え方です。歴史家ならではの観点ですね。
ホモ=ルーデンスは日本語では、「遊戯人」と訳されます。
もしスポーツを楽しむ動物がいたら「人間みたい」って思いそうだな!
④アニマル=シンボリクス(シンボルを操る動物):カッシーラ
ドイツの哲学者カッシーラは、人間の特質を「言語や記号などのシンボル(象徴)を操る」点にあると捉え、アニマル=シンボリクスと定義しました。(ホモ=シンボリクスとも定義されます。)
人間は、現実の世界を言語などのシンボルによって捉えています。
シンボルの例としては、言語・神話・芸術・宗教などが挙げられます。
アニマル=シンボリクスは日本語では「シンボルを操る動物」と訳されます。
⑤ホモ=レリギオースス(宗教人):エリアーデ
ルーマニアの宗教学者エリアーデは、人間の特質を「神による救済を信じ、祈りをささげる」点にあると捉え、ホモ=レリギオーススと定義しました。
ホモ=レリギオーススは日本語では「宗教人」と訳されます。
⑥ホモ=エコノミクス(経済人):アダム・スミス
イギリスの経済学者アダム・スミスは、人間の特質を「利益を合理的に求める経済活動を行う」点にあると捉え、ホモ=エコノミクスと定義しました。
ホモ=エコノミクスは日本語では「経済人」と訳されます。
2. 「人間の定義と人物」の覚え方
ここまで6つの人間の定義と人物を解説してきましたが、
理解できましたか?
理解はできたけど、
定義と人物を両方覚えるの大変だな。。
定期テストに出そうだなぁ。
りゅう先生なにかいい覚え方ないですか?
倫理は概念理解が大切な科目であるため、他の地歴公民科目と比べると覚えることは少ないですが、最低限覚えなくてはならないこともあります。
長い用語は覚えにくいので、短くして覚えることをおすすめします。
例えば、「用語:ホモ=サピエンス(英知人)、人物:リンネ」であれば、まず「ホモ」は共通語なので省きます。
「サピエンス」と「リンネ」は他と区別ができるように、頭の方の「サピ」と「リン」だけ取ってきてしまいましょう。
そうすると、「英知人サピリン」になります。
短くなって覚えやすくなりましたね!
他の用語も同じようなルールで短くすると..
覚え方 | 省略前 |
---|---|
英知人サピリン | 英知人(ホモ=サピエンス):リンネ |
工作人ファーベル | 工作人(ホモ=ファーベル):ベルクソン |
遊戯人ルーホイ | 遊戯人(ホモ=ルーデンス):ホイジンガ |
シンボルカッシー | シンボルを操る動物(ホモ=シンボリクス):カッシーラ |
宗教人レリギエリ | 宗教人(ホモ=レリギオースス):エリアーデ |
経済人エコアダム | 経済人(ホモ=エコノミクス):アダム・スミス |
あとは繰り返し言葉にすればすぐに覚えられると思います。
ぜひ試してみてください!
3. 演習問題にチャレンジ!
それではここまでの内容をある程度頭に入れたら、演習問題にチャレンジしてみましょう!
質問をクリックして答えを見る前に、頭の中で答えを思い浮かべてみてくださいね。
- Q「人間は日常から離れて自由に遊び、そこから文化を作り出す存在である。」という人間観を何というか。
- A
ホモ=ルーデンス
- Q上記の人間観をとなえたオランダの歴史家は誰か。
- A
ホイジンガ
- Q「人間は知恵をもち、理性的な思考能力をそなえた存在である。」という人間観を何というか。
- A
ホモ=サピエンス
- Q上記の人間観をとなえたスウェーデンの生物学者は誰か。
- A
リンネ
- Q「人間は道具を使って自然に働きかけ、ものを作り出す存在である。」という人間観を何というか。
- A
ホモ=ファーベル
- Q上記の人間観をとなえたフランスの哲学者は誰か。
- A
ベルクソン
- Q「人間は自らを超えるものに目を向け、宗教という文化をもつ存在である。」という人間観を何というか。
- A
ホモ=レリギオースス
- Q人間は言語や記号などのシンボルを操る動物だと語ったドイツの哲学者は誰か。
- A
カッシーラ
4. 「人間の定義」まとめ
この記事では先人が考えた6つの人間の定義について解説しました。
みなさんはどの定義に共感できましたか?
最後に今日の内容を、覚え方も含めて表にまとめましたので、おさらいしてください。
定義 | 定義した人物 | 覚え方 | 重要度 |
---|---|---|---|
①ホモ=サピエンス(英知人) | リンネ | 英知人サピリン | ★★★ |
②ホモ=ファーベル(工作人) | ベルクソン | 工作人ファーベル | ★★★ |
③ホモ=ルーデンス(遊戯人) | ホイジンガ | 遊戯人ルーホイ | ★★★ |
④ホモ=シンボリクス(シンボルを操る動物) | カッシーラ | シンボルカッシー | ★★☆ |
⑤ホモ=レリギオースス(宗教人) | エリアーデ | 宗教人レリギエリ | ★★☆ |
⑥ホモ=エコノミクス(経済人) | アダム・スミス | 経済人エコアダム | ★☆☆ |
最後まで読んでくれてありがとうございました!