ソフィストとは？プロタゴラスの弁論術・相対主義やソクラテスとの違いをわかりやすく解説！

こんにちは、りゅう先生です！

今回は「ソフィスト」について解説していきます。

ソフィストとは、弁論術や知識を教える職業教師のことです。

高校倫理では、代表的な人物として2人のソフィストが登場します。

この記事では、ソフィストが登場した背景や2人のソフィストの思想について解説しています。

ぜひ最後まで読んで理解を深めてください！

ソフィストとは？

ソフィストの定義・特徴

ソフィストとは、弁論術（説得する技術）や政治に必要な知識を教える職業教師のことです。

元々は「知恵のある人」「賢者」という意味の言葉で、紀元前5世紀ごろのギリシャで活躍しました。

当時のギリシャでは、裁判や政治の場で「人を説得する力」がとても重要でした。

そのため、ソフィストはお金をもらって、若者たちに弁論の技術を教えていました。

ソフィスト登場の時代背景

ソフィストが活躍したのは、アテネの民主政が発展した時代（紀元前5世紀）**です。

当時、 アテネでは貴族だけでなく、市民が政治に参加できるようになりました。

そのため、集会や裁判で「うまく話せる人」が有利になり、弁論術を学ぶ必要が出てきました。

「成功するために弁論術を学びたい！」という人が増え、ソフィストが登場しました。

代表的なソフィスト

代表的なソフィストは2名います。

人物名と思想、有名な言葉を表にまとめましたので、確認してください。

人物	思想	言葉
① プロタゴラス	相対主義	「人間は万物の尺度である」
② ゴルギアス	懐疑主義	「人間の知るものはいっさい偽りである」

プロタゴラス

プロタゴラスは、「人間は万物の尺度である」という言葉を残し、相対主義を主張しました。

かみ砕くと、相対主義とは「人それぞれ、正解は違う！」という考え方です。

例えば、42°の温泉が熱いと感じる人もいれば、ぬるいと感じる人もいますよね。

同じように、「善悪」や「真理」は人によって価値観が異なり、相対的であると唱えたのがプロタゴラスです。

ゴルギアス

ゴルギアスは、「人間の知るものはいっさい偽りである」という言葉を残し、懐疑主義を主張しました。

かみ砕くと、懐疑主義とは「本当のことなんて何もわからない！」という考え方です。

例えば、「世界が本当に存在するって、どうやって証明した良いでしょうか？」

夢と現実が似ているように、今現実だと思っている世界が実は夢かもしれませんよね。

「本当に確かなことなんて何もわからない。」と懐疑主義を唱えたのがゴルギアスです。

プロタゴラスとソクラテスの思想の違い

ソクラテスの思想の解説は、今後の記事で詳しく行いますが、プロタゴラスとの思想の違いについて簡単に解説します。

人物	思想	具体例
① プロタゴラス	相対主義	人それぞれ、正解は違う！
② ソクラテス	普遍的真理	本当に正しいこと（普遍的な真理）は必ずある！

プロタゴラスの相対主義に対して、普遍的（いつでもどこでも共通）な真理が存在すると唱えたのが、ソクラテスです。

例えば、「どんな国や時代でも、人を無意味に傷つけるのは悪い」といったように、本当に正しいことがあると考えました。

ソクラテスは、「対話（問答法）を通じて、本当の正しさを追求することが哲学の目的」として、考えを世に広めました。

演習問題にチャレンジ！

「ソフィスト」のまとめ

この記事では「ソフィスト」について解説しました。

最後に、2人のソフィストについて、表にまとめましたので、おさらいしてください。

人物	思想	言葉	意味
① プロタゴラス	相対主義	「人間は万物の尺度である」	人それぞれ、正解は違う！
② ゴルギアス	懐疑主義	「人間の知るものはいっさい偽りである」	本当のことは何もわからない！

最後まで読んでくれてありがとうございました！