こんにちは、りゅう先生です!
今回は、高校倫理でもとても重要な人物
プラトンの思想について、できるだけわかりやすく解説していきます。

「プラトンって、イデア論の人だよね?
でも正直、イデアが何なのかよく分からない…」

「洞窟の比喩とか、国家論とか、言葉は聞くけど、つながりが分からないです」

大丈夫!
プラトンの思想は、バラバラに覚えると難しく感じるけど、
実は一本の考え方で全部つながっているんだよ。
この記事では、プラトンの思想を
「全体像 → 重要ポイント → 演習問題」
という流れで整理していきます。
- プラトンとはどんな人物か
- プラトンの思想の中心「イデア」とは何か
- 洞窟の比喩・想起(アナムネーシス)・エロースの意味
- 国家論と哲人政治の考え方
プラトンとはどんな人物か
プラトンはどんな時代を生きた人物か
プラトンは、紀元前4世紀の古代ギリシャで活躍した哲学者です。
民主政が揺らぎ、「正義とは何か」「善とは何か」が強く問われていた時代でした。
プラトンとソクラテスの関係
プラトンは、ソクラテスの弟子です。
師であるソクラテスが裁判で死刑になったことをきっかけに、
正しい知をもつ人が国を導くべきだ
と考えるようになりました。
※ソクラテスについてはソクラテスの思想とは|無知の知と問答法をわかりやすく解説をご覧ください。
学園「アカデメイア」と著作
プラトンは、哲学を学ぶ場として
アカデメイアという学園をつくりました。
ここは「世界最古の大学」とも呼ばれています。
ここで哲学や数学、政治について教え、
後にアリストテレスといった偉大な哲学者も育ちました。
※アリストテレスについてはアリストテレスの思想をわかりやすく解説|形相・質料・四原因説・中庸とはをご覧ください。
また、プラトンの思想は
対話編という形で書き残されています。
その中でも特に有名なのが、著書 『国家』 です。
プラトンの思想の中心「イデア」とは?
プラトンの思想を理解するうえで、
最も重要なのが「イデア」です。

現象界とイデア界(二元論的世界観)
プラトンは、世界を次の二つに分けて考えました。
- 現象界:私たちが目で見たり、触ったりできる世界
- イデア界:本当の姿・完全な姿が存在する世界
たとえば、
- 現実の「美しいもの」は、形も評価もバラバラ
- しかし「美そのもの(完全な美)」は変わらない
この 変わらない本質 こそが、イデアです。

「じゃあ、今見えている世界は本物じゃないの?」

そうだね。
プラトンは、
「完全な本物はイデア界にある」
と考えたんだ。
イデアの中のイデア「善のイデア」
イデアの中でも、最も重要なのが
善のイデアです。
- すべてのイデアの頂点
- 太陽のように、他のイデアを照らす存在
善のイデアを知ることが、
人間にとって最高の目標だとされました。
洞窟の比喩とは何か
プラトンは、イデア界と現象界の関係を説明するために、
洞窟の比喩を用いました。

洞窟の比喩の内容
洞窟の奥に縛られた人々は、
壁に映る「影」だけを見て、それが現実だと思っています。
しかし洞窟の外へ出ると、
- 太陽の光
- 本物の物の姿
があり、
影は本物ではなかったと気づきます。
洞窟の比喩が示す意味
- 洞窟の中 → 現象界
- 洞窟の外 → イデア界
- 太陽 → 善のイデア
つまり、
私たちは、影(不完全な世界)を本物だと思い込んでいる
というメッセージです。

「気づいた人は、外に出たあとどうするの?」

プラトンは、
「外に出た(真理を知った)人は、再び洞窟に戻って人々を導くべきだ」
と考えたんだ。
これが、後の哲人政治につながります。
想起(アナムネーシス)とは何か
プラトンは、人間の魂について次のように考えました。
魂は生まれる前、イデア界に存在していた
そのため人間は、
完全に新しいことを学ぶのではなく、
かつて知っていたイデアを思い出す
と考えました。
この「思い出すこと」を
想起(アナムネーシス) といいます。
何かを学ぶということは、
- 知識を注ぎ込まれることではなく
- 問いかけによって、魂の中の真理が引き出されること
なのです。
エロースとは何か
プラトンにとってのエロースとは、
単なる恋愛感情ではありません。
それは、
- イデアに恋焦がれる感情
- 善や美を求め続ける衝動
です。
人はエロースによって、
- 美しいものに惹かれ
- より善いものを求め
- 最終的に善のイデアへ向かう
と考えられました。
魂の三分説とは
魂の三分説とは、
人間の魂は三つの部分から成り立っている、という考え方です。
| 魂の部分 | 具体的なはたらき |
|---|---|
| 理性 | 正しく判断し、真理を求める力 |
| 気概 | 勇気・誇り・正義感 |
| 欲望 | 食欲・金銭欲・快楽を求める心 |
理性が中心となり、
気概と欲望をコントロールできている状態が
理想的な人間です。
四元徳との関係
プラトンは、魂のはたらきに対応する徳を
四元徳として整理しました。
| 徳 | 内容 |
|---|---|
| 知恵 | 理性の徳 |
| 勇気 | 気概の徳 |
| 節制 | 欲望を抑える徳 |
| 正義 | 三者が調和している状態 |
国家論・哲人政治とのつながり

「国家論って、政治の話で難しそう…」

実は、魂の三分説とセットで考えると分かりやすいよ。
プラトンは、
国家も魂と同じ構造をもつと考えました。
| 国家の階級 | 魂 | 徳 |
|---|---|---|
| 統治者(哲人) | 理性 | 知恵 |
| 軍人 | 気概 | 勇気 |
| 生産者 | 欲望 | 節制 |
このため、
哲学を学び、イデアを理解した者が政治を行うべきだ
と考えました。
これが
哲人政治(哲人王) です。
プラトンの思想まとめ
| 思想 | 内容 |
|---|---|
| 二元論 | 現象界とイデア界 |
| イデア論 | 本質はイデア界に存在 |
| 善のイデア | イデアの頂点 |
| 洞窟の比喩 | 二つの世界の説明 |
| 想起 | イデアを思い出すこと |
| エロース | イデアに向かう衝動 |
| 魂の三分説 | 理性・気概・欲望 |
| 哲人政治 | 哲学者が統治 |
【演習問題】プラトン思想を確認しよう
それでは、ここまでの内容を整理するために
演習問題にチャレンジしてみましょう。
- Qプラトンの世界観を「現象界」と何の二つに分けるか
- A
イデア界- Qイデアの中で最も重要なものを何というか
- A
善のイデア
- Q洞窟の比喩で、影が表す世界はどちらか
- A
現象界
- Q想起をギリシャ語で何というか
- A
アナムネーシス
- Qエロースとはどのような感情か
- A
イデア(善や美)に恋焦がれる感情
- Q魂の三分説の三要素を答えよ
- A
理性・気概・欲望
- Q四元徳のうち、理性に対応する徳は何か
- A
知恵
- Qプラトンが理想とした政治形態を何というか
- A
哲人政治(哲人王)
- Qプラトンが設立した学園の名前は何か
- A
アカデメイア
- Q著書『国家』で主に論じられているテーマは何か
- A
正義とは何か/理想の国家のあり方
まとめ|プラトンの思想が伝えたかったこと
この記事では、プラトンの思想について解説しました。
プラトンは、
目に見える世界に流されず、本当に善いものを考え続けることの大切さ
を伝えました。
この思想は、
師ソクラテスから受け継がれ、
次にアリストテレスへとつながっていきます。
最後まで読んでくれて、ありがとうございました!




