こんにちは、りゅう先生です!
今回は青年期でよく出てくる「マズローの欲求階層説と葛藤(コンフリクト)」について解説していきます。
突然ですが、みなさんはどんな欲求を持っていますか?
友達と一緒にいたい欲が強いかな!
最近食欲が止まらないかな!あと睡眠欲も強いかもzzz。
欲求と一口に言っても、欲求には種類があるのを知っていますか?
欲求は大きく分けて生理的欲求(一次的欲求)と社会的欲求(二次的欲求)に分けることができます。
生理的欲求とは、人々が生まれながらに持っている食欲や排泄欲、性欲などのことです。
一方、社会的欲求とは、人々が社会で生活する中で抱く、承認欲や愛情欲、達成欲などのことです。
欲求といえば、「マズローの欲求階層説」と「葛藤(コンフリクト)」が最頻出です。
それぞれ具体例を用いて解説をしていきます。
一緒に学んでいきましょう!
マズローの欲求階層説とは?
「マズローの欲求階層説」とは、アメリカの心理学者マズローが、人間の欲求を5つの階層にとらえた理論のことです。
マズローは、人間の欲求は、低階層の欲求が満たされると、より高階層の欲求を求めていくと考えました。
以下、マズローが定義した5つの欲求階層です。
それでは、それぞれの欲求について詳しく解説していきます。
それぞれの欲求の意味と階層の順番は、テストにもよく出るからおさえておこう!
第1階層:生理的欲求
生理的欲求とは、生きていくために必要な基本的な欲求のことです。
例えば、「食欲、睡眠欲、性欲」などが生理的欲求にあたります。
動物の場合は、生理的欲求が満たされると満足する種類がほとんどですが、人間の場合はより高い階層の欲求を求めるのが一般的です。
第2階層:安全の欲求
安全の欲求とは、安心・安全の暮らしを確保したいという欲求です。
例えば、「安全なところに住みたい、健康でいたい、経済的に安定した生活をしたい」などが安全の欲求にあたります。
幼児の場合は親と離れると不安がる子も多く、安全の欲求を強く求める傾向にあります。
第3階層:所属と愛情の欲求
所属と愛情の欲求とは、集団に所属したい、人から愛されたいという欲求です。
例えば、「友達の輪に入りたい、クラスで自分の居場所がほしい、友達や恋人から愛されたい」などが所属と愛情の欲求にあたります。
所属と愛情の欲求が満たされない状態が続くと、孤独を感じ、精神的に不安定になってしまうこともあります。
無理をして合わない集団に所属する必要はありませんが、学校内外問わず、自分の居場所を見つけられるとよいですね。
第4階層:承認の欲求
承認の欲求とは、他の人から認められたいという欲求です。
例えば、「親や先生から褒められたい、友達から尊敬されたい、自分を価値ある人間だと認めたい」などが承認の欲求にあたります。
承認の欲求が満たされることで、自己肯定感が高まり、自分に自信が持てるようになります。
一方で承認の欲求が満たされないと、劣等感(他より劣っていると思う感情)や無力感が生じるようになります。
「SNSでいいねがほしい!」と思うのは、この承認の欲求からきているのですよ。
なお、第1階層(生理的欲求)から第4階層(承認の欲求)までの欲求は、足りないものを満たす欲求であり、「欠乏欲求」とも呼ばれます。
第5階層:自己実現の欲求
自己実現の欲求とは、自分の大きな目標や夢を実現したいという欲求です。
例えば、「歌手になりたい、お金持ちになりたい、海外に移住したい、幸せな家庭を築きたい」などが自己実現の欲求にあたります。
第1階層(生理的欲求)から第4階層(承認の欲求)までの「欠乏欲求」に対して、自己実現の欲求は、自分自身の成長に対する欲求であり、「成長欲求」とも呼ばれます。
自己実現の欲求は、欠乏欲求を満たすことであらわれる「人生最高の欲求」です。
葛藤(コンフリクト)とは?
葛藤(コンフリクト)とは、欲求と欲求がぶつかり合い、その選択が困難な状態のことです。
みなさんはこれまでに、何か葛藤(コンフリクト)したことはありませんか?
お母さんに「夜ご飯何がいい?」って聞かれて、とんかつかハンバーグか悩んじゃうなぁ。
本音を言いたいけど、友達に嫌われたくないから言えないこととかあるなぁ。
葛藤(コンフリクト)は、ドイツの心理学者レヴィンが、3つのパターンに分類しています。
①接近 – 接近型
②回避 – 回避型
③接近 – 回避型
それでは、それぞれのパターンについて詳しく解説していきます。
①接近 – 接近型
接近 – 接近型は、「〜したい」という欲求と「〜したい」という欲求が同時に生じ、いずれかを選択しなければならない時におこる葛藤(コンフリクト)です。
例えば、以下のような事例です。
②回避 – 回避型
回避 – 回避型は、「〜したくない」という欲求と「〜したくない」という欲求が同時に生じたときの葛藤(コンフリクト)です。
例えば、以下のような事例です。
③接近 – 回避型
接近 – 回避型は、「〜したい」という欲求と「〜したくない」という欲求が同時に生じたときの葛藤(コンフリクト)です。
例えば、以下のような事例です。
葛藤(コンフリクト)によって、欲求が満たされないこともあります。
欲求が満たされない状態を、「欲求不満(フラストレーション)」と呼びます。
欲求不満(フラストレーション)については次回の講義で詳しく解説します!
演習問題にチャレンジ!
それではここまでの内容をある程度頭に入れたら、演習問題にチャレンジしてみましょう!
質問をクリックして答えを見る前に、頭の中で答えを思い浮かべてみてくださいね。
- Q人間の欲求を階層的に捉え、下位の欲求から上位の欲求へと段階的に発展していくという「欲求階層説」をとなえたアメリカの心理学者は誰か。
- A
マズロー
- Q欲求階層説において、「友達の輪に入りたい」と思うような欲求を何というか。
- A
所属と愛情の欲求
- Q欲求階層説において、成長欲求とも呼ばれる最上位の欲求は何か。
- A
自己実現の欲求
- Q相反する欲求がぶつかり合い、その選択が困難な状態のことを何というか。
- A
葛藤(コンフリクト)
- Q「〜したい」という欲求と「〜したくない」という欲求が同時に生じたときの葛藤の型を何というか。
- A
接近 – 回避型
マズローの欲求階層説と葛藤(コンフリクト)のまとめ
この記事では、青年期のマズローの欲求階層説と葛藤(コンフリクト)について解説しました。
今日の内容について、表にまとめましたので、最後におさらいをしてください。
マズローの欲求階層説 | 意味 |
---|---|
第5階層:自己実現の欲求 | 自分の大きな目標や夢を実現したいという欲求 |
第4階層:承認の欲求 | 他の人から認められたいという欲求 |
第3階層:所属と愛情の欲求 | 集団に所属したい、人から愛されたいという欲求 |
第2階層:安全の欲求 | 安心・安全の暮らしを確保したいという欲求 |
第1階層:生理的欲求 | 生きていくために必要な基本的な欲求 |
葛藤(コンフリクト)の型 | 状態 |
---|---|
①接近 – 接近型 | 「〜したい」欲求がぶつかり合う状態 |
②回避 – 回避型 | 「〜したくない」欲求がぶつかり合う状態 |
③接近 – 回避型 | 「〜したい」と「〜したくない」欲求がぶつかり合う状態 |
次回は、「欲求不満(フラストレーション)と防衛機制」についてまとめます。
お楽しみに!
最後まで読んでくれてありがとうございました!